淋病とは淋菌による性感染症のことで、数ある性感染症のなかでもクラミジアと並んで有名な性病・性感染症の一つです。
淋病と聞いてすぐに性感染症、性病のイメージがすぐに湧く方も多いですが、実際の症状がどのようなものかについてや、詳しい原因や感染経路、万が一発症してしまった場合の治療方法に関してはあまり詳しく認識していない方も多いです。
また他の性感染症と同樣に潜伏期間があるため、本人が気づかない間にパートナーの方に感染させてしまうなど、そのまま放置しておくことで様々な問題が発生します。
ここでは淋病についての詳しい症状や他の感染症との違い、もし感染してしまった場合の治療方法を中心に解説していきます。
淋病とは?
淋病は淋菌(gonococci)による性感染症の一種です。
性行為によって淋菌が粘膜に付着することで感染しますが、感染する確率は一回の性行為で約30%とかなり高いことで知られています。
淋病の主な症状と感染経路
淋病の主な症状は患部の赤いただれや、尿道・肛門付近の痒みや炎症が挙げられます。
また排尿時の違和感や尿道の痛みなどが出てきますが、女性であればおりものの量が増えたりニオイがキツくなる場合もあり、症状がひどくなると尿道口から膿が出ることも少なくありません。
性器だけでなく喉への感染も多いですが、喉の場合は無症状であることが大半で、知らない間にキスなどを介して感染者を拡大させていくこともあります。
喉に症状が現れた場合は喉の痛みや違和感、発熱など風邪とよく似た症状が見られますので、ただの風邪と思って油断してしまう方も多いです。
その他の感染経路で気になるお風呂やシャワー、タオルなどからは感染することはなく、性感染症の名称どおり感染は全て性行為によるものと考えておいて問題ありません。
淋病の潜伏期間
潜伏期間は約4〜5日ほどと他の性感染症と比較すると短期間ですが、症状が出るまでの期間には個人差があります。
そのためしばらく無症状の方も多く、感染していることに気づかずにパートナーに菌を移してしまうため注意が必要です。
そのまま放置しておくと痛みも段々と強くなる傾向があり、人によっては尿道口から膿が出る方もいます。
少しでも異変や違和感を感じたら最寄りの医療機関で診察を受けるようにしましょう。
淋病は特に女性は要注意
淋病は男女共に感染する病気ですが、女性の場合は男性以上に警戒が必要です。
女性が淋病に感染した場合の主な症状に膣の炎症があり、男性と同じく痒みや痛み、膿が発生する場合があります。
女性で特に気をつけなければならないのが妊娠中の感染です。
妊娠中に淋病に感染すると流産や早産などの原因になってしまう恐れがあります。
男性が気をつけるべき行動とは
パートナーが妊娠中によくある感染ケースとして風俗があります。
特にパートナーが妊娠中は性行為を我慢しなければならない期間もありますが、その期間中に性行為を我慢できずに風俗にいく方も少なくありません。
そこで菌をもらってしまうケースもよく見られるため、様々なリスクを避ける意味でもできるだけ通わないようにしましょう。
パートナーだけでなく胎児にも悪影響を及ぼすため、妊娠中の性行為はパートナー共々検査をするなど念の為感染予防を行うようにしましょう。
男女共に不妊の原因になる可能性も
感染しても無症状、または症状が軽症の場合でもそのまま放置しておくことで病気はどんどん進行していきます。
病気が進行すると男性の場合では精巣にまで菌が侵入してしまうことや、女性の場合だと腹部に侵入してしまうことがあります。
どちらも不妊の原因になってしまうため、少しでも違和感や異変を感じたら検査や治療を受けることが大切です。
淋病の予防策について
淋病の感染予防として大変効果が高いのがコンドームの使用です。
通常の膣内の挿入時だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスを行う際にもコンドームを正しく着用することで粘膜との接触を避けることができます。
もう一点が免疫をつけることです。
淋病に限りませんが、免疫力が低下すると病気にかかるリスクは高くなります。
仕事の疲れやストレスが溜まったままの状態で性行為を行うと、感染もその分しやすくなりますので、常日頃から体調管理や健康管理に務めるようにしましょう。
少しでも感染の疑いがある場合は検査を受けましょう
もし少しでも淋病含む性感染症の感染疑いや心配がある方は腺感染症の検査を受けるようにしましょう。
専門のクリニックで淋病含む性感染症の検査を受けることができますし、検査キットを購入して自宅で検査することも可能です。
検査の方法にはいくつか種類がありますが、検査キットを使った方法では尿や唾液を採取して感染の有無を確認する方法が一般的です。
検査をして問題なかったことが確認できると安心できますし、万が一感染してしまっていた場合もそれ以上被害を拡大してしまうリスクを抑制できます。
淋病の治療方法
万が一淋病に感染していることが確認されたら、即日クリニックで治療を受けましょう。
治療方法は専用の注射や点滴による抗生物質の入った薬剤投与、もしくは抗生物質の入った内服薬による治療が一般的です。
のどに感染が確認された場合は咽頭淋病検査を行っている専門のクリニックにおかかりください。
症状が治まっても油断しないこと
薬の服用を1〜2週間続けていただいたあと、症状が治まったとしてもまだ体内に菌が残っている可能性もあるため油断してはいけません。
3〜4週間後あたりにもう一度再検査を行って体内から菌がいなくなったことを確認できてから初めて完治に至ります。
自己判断で治療を止めてしまうと、再発の恐れやそのまま大丈夫と思って性行為を行うことでパートナーへと被害を拡大してしまいますので必ず医療機関で確認をしてください。
淋病は早期検査と治療で被害を最小限に
性感染症である淋病は本人含め、性行為のパートナーも感染させてしまうことを防ぐためにも早期発見と治療が何よりも大切です。
淋病は他の性感染症と比較すると、潜伏期間が短いため排尿時に痛みや違和感を感じるといった特徴があります。
そのため感染に気づきやすいとも言われていますが、感染しても無症状の方も少なくないため無意識に感染者を拡大してしまう恐れがあります。
淋病はそのまま放置しておくと排尿時の痛みや痒みの悪化だけでなく、身体の他の部位へ影響を及ぼすことや、不妊症の原因、パートナー女性が妊婦の場合だと胎児にまで影響を及ぼします。
不特定多数の方との性交渉や、性的接触の機会が多い方はコンドームを正しく着用し、感染の疑いがあれば速やかに検査を行うようにしましょう。
まずはリスクを最小限に抑えることが第一です。
淋病の治療は専門のクリニックで即日治療が可能で、点滴や抗生剤の入った治療薬を服用することで回復できることが多く、早期治療による完治が可能です。
少しでも異変や違和感を感じたら、速やかに最寄りの医療機関で診察を受けるようにしてください。